さて、いよいよ最大の秘密の話をするときが来た。この見識こそが、フィル・ギャルフォンドにマンハッタンで特注滑り台付きのアパートを買う金を稼がせたのであり、この見識のおかけでポーカーコミュニティにいるその他大勢のプレイヤーは彼らの残りかすの取り合いに甘んじているのだ。
ポーカーはカードにもてあそばれている人々のゲームではない。ポーカーはいつ自分のカードを手放すべきか手放さざるべきかを知るというゲームではない。ポーカーは良いハンドを作って相手のスタックを全部取りに行くケームでもない。タイトにプレイするのはポーカーの本質ではないし、辛抱強くプレイするというのもその本質ではない。他のプレイャーをいじめることでもない。誰がテーブルで一番アグレッシブなプレイヤーになるかというゲームでもない。99パーセントのプレイヤーが用いている戦略の中心となっているこれらまがい物のアイデアはその本質では無いのである。
その他のギャンブルゲームと同じように、ノーリミットホールデムは頻度のゲームだ。ゲームに関わる数学が、君がチェックするべきか、あるいはフォールド、コール、またはレイズするべきかを、ある特定の基本的頻度で決定づける。それらの頻度の値がどのようなものなのか、正確な答えを導き出すのはほぼ不可能である。たがそうした正確な頻度にほぽ近いぐらいの値を得る事で満足していても、それで十分なのである(少なくともそれで特注滑り台ぐらいは買える)。それぐらい簡単なことなのだ。
君が用いている頻度が、相手プレイヤーが用いる頻度よりも正確なものでありさえすれは、君は勝って金を手に入れられる。
この1行には蛍光マーカーでハイライトを入れておいて欲しい。まさにこれは真実た。たがしかし、もし君がポーカーに対してこういう考え方で臨むのに慣れていないのなら、多分それが信じられないたろう。それでも構わない。ここから先、上の1行が何を意味しているか、そこからどういう示唆を得られるのかを、君に納得してもらうための話が続いていく。
これから先、君のポーカーキャリアは、このアイデアを最大限活かすようにプレイするにはどうしたらいいのかを見つけ出すために費やされることになるはずだ。君の用いている頻度が、相手プレイヤーがプレイに用いている頻度よりも正しければ、金を勝ち取るのは君の方なのである。
強力なポーカー戦略は、どのような状況のもとであってもまず、頻度をどのように設定すべきか導き出すところから始める。その上で、どのハンドをどういう風にプレイするかを決めてそれらの頻度を埋めていくのである。